
少し間が開いてしまいましたが前回の続きです。けっこうボロボロなニューポート3でしたが綺麗に修復できました。傷の取り方としては基本的には研磨ですが、見た目ほど傷が深くない場合が多いので、傷が浅い場合は手でサンドペーパーで丁寧に傷の部分を削って傷を消していきます。ある程度傷が浅くなったら、遠心バレル研磨機でペーパーの擦り傷を消します。傷が消えたら表面の仕上げはビーズブラストで仕上げて、落ちてしまっていた塗料を再度入色して完成です。シャフトに挿し込む際に研磨で落ちた重量はタングステンの錘を入れてバランスを元と同じに調節しておきます。

フェースに有った深い傷はもう一度フェースを削ることで消しました。あまりたくさん削るわけにはいかないので最低限薄く削り、ツールマークは上をなぞりました。少しだけ削ってみるとなんだか中ベコになっててフェース面が平らでありませんでした。この現象はフェース面にアルミを使用しボディ側はステンレスという異種の金属を共削りするには製造中の切削条件やカッターの材種などが合わないことが原因だと考えられます。こういうのを防ごうと思ったらアルミはアルミのステンレスはステンレス用の刃物を使用し、切削条件はそれぞれの金属に合わせて削るのが理想です。大量生産なら寸法管理を厳にして別々に造るのが理想ですが、これは1個だけなので面倒ですが少しずつ削ることでどちらにも対応出来る条件で削ります。これでほぼ元と通りの仕上がりになりました。オーナーにはたいへん喜んでいただけました。
