前回掲載したSandvik SUS304のミルシートが届きました。規定されたデーター的に見ると国産やその他の国で作られた物と変わりませんが、相対的に成分の%は同じか少なめな様です。国産のステンレスでの規定でになりますが、気になる303と304の成分の違いは304に対して303の方がC(炭素)S(硫黄)多く、P(燐)Ni(ニッケル)Cr(クロム)についてはやや少なく規定されています。あと303の場合はMo(モリブデン)が0.6%以下なら含んでも良いことになっています。成分で見る限りでは304より303の方がやや硬いと言うことになります。303の方が304よりNiとCrが少なくそれ以外の元素がやや多いことで切削における被削性を上げています。Sandvik SUS304はNiとCrは規定の範囲内で平均くらいです。その他のC、Si、Mn、Pは少なく硬さに寄与するCに関しては8分の1くらいの量なので硬さとしてはS10Cくらいでしょうか。一般的にゴルフクラブに使用されるS25CやS15CはCの量が0.25%と0.15%含むことになっています。鋼はCの量が増えると硬くなります。成分から私が推測するとSandvik SUS304の場合、Cが少ないので硬さは軟らかくNiとCrもそれほど多くないので切削するときは加工しやすいのではと思います。耐食性に関しては大気中で問題になる様な配合では無いと考えられます。大気中で問題ないならパターにはCとNiとCrは少ない方が向いていると思います。勘違いの無い様に言っておきますが国産のSUSが劣っていると言うわけではありません。Sandvikが飛び抜けて優秀なだけです。

下の表はオーステナイトステンレス鋼の成分規定です。JIS規格です。