SUS303
Cr系とCr-Ni系の2つになり、組織的に分類するとオーステナイト系マルテンサイト系フェライト系の3つです。日本の場合はAISIタイプナンバーに準じて3桁の数字で表すことになっています。(例として3××)パターに使用するステンレスとしてはSUS303、まれに304とかが削りだしでは
使われています。鍛造やロストワックスではオーステナイト系ステンレスで製造することが出来ないのでCr系のSUS4××が使われています。
市販されているパターの中にはSUS303と唱いながら磁石に付く物があります。
オーステナイトであるSUS303には磁性無いので磁石に引っ付く時点で
偽物ですので注意しましょう。仮にSUS303を溶かしてロストワックスで
作ったとしましょう。溶かしたことでオーステナイト系の組織になれば良いで
すが、なるわけ無いので圧延材のSUS303と同じ物を求めてはいけません。
パターに使うSUS303は私の場合はもちろん国産です。SUS303に関しては
丸鋼から削り出す様にしています。削って捨てるところが板材に比べ多いので
コスト的には損なのですが、ステンレスに関しては私の場合、製鋼時における
残留応力に気をつかっています。残留応力は圧側にはさほど問題が無いのですが、
横方向への残留応力は反りや硬度、強度の不均一を招き、パターとしては
同じ材料であったとしても悪影響が有ります。パターとしては打感が悪くなります。
画像の材料はSUS303丸鋼です。これから削って次の画像の形状にしてパターの
形にしていきます。
よくGSSでお願いしますって言われますがジャーマンステンレスなんてありません。
まぁ、ドイツでもステンレスは作ってないことは無いですが商品名としては無いですね。
たぶん造語だと思います。GSSはキャメロンが商標登録してるみたいですね。
GSSのキャメロンのパター削って成分分析したこと有りますが、JISで言うSUS303の
誤差の範囲でした。同じって事です。
パターにSUS303が適している部分と言えばやはり錆びない事です。
正確には錆びないのでは無くて添加されているCrが空気に触れるとすぐに
不動態被膜を形成し、ステンレスの中のFeの成分を外気から遮断するので赤錆が
出ません。やったこと有るのですが窒化処理とかして不動態膜を除去して
放っておくとSUS303でも赤錆が出ます。そして鉄の赤錆を付けると不動態膜を
除去していない303でも赤錆が移って錆びます。
まれに有るのですがグリーンの上で使用したときにフェース面やソールに
砂鉄が付着してそれが錆びて赤錆になることが有ります。
ステンレスだからと安心してあまり手入れをしないでいるとそんなことになることが有りますので御注意を。
ステンレスについてはまだまだいろいろありますので、また述べることにしたいと思います。
画像のパターはKG001Fです。これはSUS303で出来ています。





の方が殆どでしょう。
KITADAさんが教えてくれる内容で、偽物に騙されない方が少なくなり、本物のパターを使う喜びを味わって貰いたいです。
使うのと何の知識も持たずに使うのとでは違うはずです。
パターの材料がどういう状態でも何でであっても関係ないのなら
いろいろ必要有りません。パターを選ぼうとする人には見た目以外の部分でも選ぶ事ができる知識を持ってもらいたいと思っています。
新品で購入して気が付いたら歪んでいたなんて悲劇ですね。
GSSの件は話題になって大体内容は知っていましたが、GSS仕様(刻印)で一挙に価格が跳ね上がる現象はいかがなものかとは思ってました。
またいろんな素材のこともお教えください!!

それが素材であったり、工程であったりを私も含めゴルファーにもっと知らせていくことが大切なのではないかと、今回の北田さんのお話で感じます
北田さんのこだわりが見える化できるこのブログは面白いです
でもいかんせん難しい。。。
チャーリーさん、できるだけわかりやすい様に書いたつもりですが専門的な事はもう少しかみ砕いて説明をするよう心がけます。