SM490A
昔の船はリベット止めでしたが現在では溶接で造られます。
SM材の特徴は溶接構造用圧延鋼材なので溶接性に優れています。
溶接不良で穴でも開いていたら船は沈没してしまいますので、他の材種に比べて
溶接の欠陥が出ない材料です。溶接性に優れていることで、そのためにC,Si,Mnの
%を規定し、またほとんどの鋼種がセミキルド鋼又はキルド鋼です。
鋼材料の製造工程は、製銑→精錬→製鋼の順序で進んでいきます。
キルド鋼は精錬の後にアルミやケイ素などで脱酸(酸素を取り除く)を行ったあとの鉄鋼です。
「キルド」とは酸素を殺した、との意から命名されています。
キルド鋼の特徴として、インゴット内の組成の偏りや気泡が少ないことで知られます。
製鋼の際、溶鋼中に含まれるガス類を強力脱酸剤を使いガス残留量を減らした鋼材であるため溶接性に優れています。よって、溶接しやすく高級な鋼材のベース材として用いられています。
鎮静鋼とも呼ばれています。炭酸ガスを発生せず静かに凝固して,内部まで均質な鋼塊ができるので
旋削、切削、熱処理など加工を要する用途に向いています。
私がパターの材料として選定しているSM490Aですが、上記のSM材の特徴に加え、大気中の腐食に耐える性質、つまり耐候性を持った材料として溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材としてSMA材があります。
耐候性はP,Cu,Crの添加によって向上しますが、Pは溶接には不具合が出ますのでSMA材には用いられていません。Cu-Cr系をベースに、さらにMo,Nb,Ni,Ti,V,Zrのいずれか1種類以上を添加することを規定しています。
パターの材料としては、あまり用いられてこなかったため、比較対象が少ないので、これが今までの鉄材より優れているかどうかは、将来的な評価によると思いますが、今のところおおむね評価は良好で質的な安定という面ではパターに適していると思います。
下の画像は削り終えたばかりのJW01です。この後、研磨工程に入りますが、SM490Aは削ると少し粘りがあるような印象を受けますが、SS400に比べると綺麗に削れ、光沢も良くて、このままでも結構綺麗です。
画像の物は製作途中でまだ未完成ですが、できあがりましたら完成品を掲載します。
SM490A製でL字のパターの打感がどのようになるのか楽しみです。
RAWに自分でガンブルーで使ってみたい!!
問題ないようです。