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KITADA GOLF DESIGN

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ドリル

今回はドリルについてお話しを書きます。こと、このような工具(刃物)にうるさい私の話を
延々と書くと教科書か何かの説明書みたいになって読むと疲れるかも知れませんので何回かに分けてドリルという物を説明したいと思います。まずは普通の黒いストレートドリル、どこでも売っています。材種はたいていはハイス鋼という硬い鉄です。黒い色は錆び止のために窒化処理で黒くなっています。いろんなサイズがあって使いやすく安価ですが、精度が甘く、皆さんにも注意して欲しいのですが、例えば10㎜のドリルがあったとします。ボール盤で穴を開けると10㎜の穴が開くと思うでしょう。しかし、穴の寸法はぴったり10㎜に開く訳では有りません。10㎜位の穴が開くだけで、新品を使ったとしても1/100㎜単位での誤差のある穴が開きます。0.1㎜位誤差が出ても普通です。
このような黒のストレートドリルに刻印されている寸法は呼びといって工具の寸法選びのための記載です。
その程度の工具と言うことです。私も持っていますが、バカ穴を開けるときにしか使いません。
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次のドリルは実際に製造でソケット穴を開けるときに使うドリルです。
金色のコーティングがされている方がドリルで超硬合金(タングステンカーバイト以下超硬と呼びます)で出来ています。非常に高価です。メーカーはスエーデンのSANDVIK社製です。画像にもあるように先端に穴が開いていてそこから切削油を高圧で噴射しながら金属に穴を開けます。非常に高速で穴を開けることが出来、しかも精度及び穴の美しさも申し分の無い穴を一発で開けることが出来ます。
穴を開けるスピードは硬い金属がまるで発泡スチロールに穴を開けているのではないかと思うほどです。私の造るパターはさらにそんな高性能なドリルを使いながら、ストップホールリーマで穴を仕上げます。リーマで穴を仕上ることによって非常に真円度の高い誤差の少ない穴に仕上がります。
9.4㎜だったらH7で上げています。H何とかとは穴の寸法の公差の基準の事でJISで決められています。H7だったら+0~0.012㎜の範囲の誤差となります。
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次はスローアウェイドリルといって鋼のボディの工具に先端の切れ刃だけ超硬のチップを付けたドリルです。利点は刃先が摩耗して切れ味が落ちたらネジをゆるめてチップを取り替えるだけの非常に便利なドリルで切れなくなったからと言って取り外して研ぐ必要が有りません。常に新品の切れ味です。これも先端から高圧で切削油を噴射するタイプです。
これもメーカーはSANDVIKです。
私は主にパターやアイアンのキャビティをエンドミルやカッターで加工する際の下穴を開けるのに使っています。穴を開けるスピードも非常に速いですが、先端にチゼル(普通の形状のドリルは三角形の角度が付いておりチゼルとはその先端の呼称)が無いのでもみ付けて穴を開けないので斜めの部分でも穴を開けられます。これも私の所ではいろんなサイズを持っています。
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次は非鉄合金用ドリルです。
バニッシングドリルと言う聞き慣れない名のドリルですが、穴あけとリーマを同時に出来る優れたドリルです。アルミや銅合金は非常に寸法の正確なしかも綺麗な穴を開けることが出来ます。
ストレートドリルなどで開けるとアルミなどは穴の中がライフリングマーク(渦巻き状の傷)だらけになってしまって汚いですが、これで開けると鏡面で穴が開きます。しかも一発でH7の寸法に仕上がります。このドリルも超硬で出来ていて高価ですが非鉄合金にはこれ以上の物は無いドリルです。
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下の画像はLM18のBC-3で出来たパターのソケット部です。見にくいかも知れませんが、非常に綺麗な穴が開いています。このようにパターの性能を引き出すためには高性能な工具を惜しみなく投入しています。がたつきの無いシャフトにぴったりの穴を開ける事は、これもまた、パターの打感に良い結果となって現れています。
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by KE_KGD | 2012-11-16 22:00 | 機械 工具 | Comments(7)
Commented by life-is-vain at 2012-11-16 22:57
お~~っ!完成しましたかー。LM18・BC-3。 
私のBC-3と比較しても、画像では”味付けの違い”は???です・・・。

ほんの一部の”ドリル”でしょうが、”ドリル”と思えないような”ドリル”。
始めて見ましたが、説明が無かったら理解できなかったです。

ドリル全体の構成機器も”相当な品”でないと高精度の切削は不可能ですよね。
ドリルの刃だけが良くても、チャックや、ドリル本体・固定治具も高精度なのでしょう。

益々、見学に行きたくなる内容です。

Commented by KE_KGD at 2012-11-16 23:12
life-is-vainさん、ドリルもこれ以外にもいろんなタイプがありますが、1回では紹介し切れません。おいおいと紹介していきたいと思います。チャックなども当然このような高性能な工具を使うためにはそれ以上に高精度で無くてはなりません。たった30㎜足らずの深さの穴を開けるにも数百万の投資になることも有ります。
LM18・BC-3は磨き中です。もうすぐ発送します。

Commented by taoten at 2012-11-17 10:44 x
ドリルと一言で言うけど、奥が深いですね。
知らない世界を垣間見る思いです。
勉強になります。

BCの材質はベリリウムカッパーですか?真鍮?
Commented by KE_KGD at 2012-11-17 12:12
taotenさん、BC-〇と言うのは他の金属で言うS〇〇CとかSUS〇〇〇みたいな番号でBC-3とは真鍮を表します。BC-6だと砲金です。ベリリウムカッパーはBeCuで昔はよく使われていましたが発ガン性のある物質なので使われなくなりました。
Commented by リョウスケ at 2012-11-19 20:03 x
ドリルだけでもいろんな種類があるんですね。
建築業ですが一番上のタイプしか使いません、しかも安いやつ。

前にバイクをいじってた頃は部品をワンオフで作ってもらってました。
その時はCNCで作ってたって言ってました。

穴を開けるだけでも大変ですね・・・。
Commented by チャーリー at 2012-11-20 07:22 x
以前作業をしていて9.5mmのドリルで穴をあけたのに、9.5ミリのリーマの先端が入らなかったりしたのは、そのような誤差があるからなのですか? それどころか私の使っていたものは9.4ミリのリーマの先端まで入らなかったりしました

非常に違和感を覚えましたが・・・
これから安いものはそれなりのもの・・・と考えないといけないと勉強になりました
ドリル講座次回を楽しみにいたします
Commented by KE_KGD at 2012-11-20 09:25
リョウスケさん、ドリルは高ければ良いという物ではありません。用途に応じて選ぶことが大事です。黒いストレートドリルでも薄板用とか重ね板用などいろいろあります。
チャーリーさん、安い物はそれなりと言うのは外れていませんが
ちょっと違うんですよね。使い方によってはかなりの精度で開けることも出来ます。工具には必ず切削条件というものがあり、いかにそれを満たすかによって出来が違ってきます。
穴の縮小を経験されたようですが、それにはいくつかの原因が考えられます。それについてはいずれ詳しく述べさせて頂きます。
誤差が有るからなのか?と言う問いに関しましては、とりあえず
違うという答えです。ドリルでの穴あけの不思議な現象の謎解きは次回の解説までお待ちください。