KG002F DLC☆GALAXY
産物です。DLC☆GALAXYについて説明させて頂きます。DLCとはダイアモンドライクカーボンといって
表面処理技術の1つでダイヤモンド状の炭素-炭素結合を持った非晶質炭素膜の総称です。
気相合成によってのみ得られる薄膜材料で、イオンプレーティング法、スパッタ法等のPVD法(物理蒸着法)やプラズマCVD法(化学蒸着法)等さまざまなプロセスが考案されています。DLC☆GALAXYでは
プラズマCVD法を用いています。まだ開発されてから日が浅い技術なのでコストが高いのが難点ですが
非常に薄く乗せることができ、DLC☆GALAXYでは約0.1ミクロンという極薄です。通常のニッケルメッキが
10~20ミクロンなのに比べると非常に薄く0.1ミクロンといってもピンと来ないでしょうが1ミリの1万分の1といえばどのくらい薄いか分かるでしょう。硬度も硬く8000HVも有ります。天然ダイヤに匹敵する堅さです。
とはいえ、薄いのでその強度はパターの母材と同じです。強度そのものはパターの母材のままですので
打感には全く影響は有りません。ガンブルーの様に擦れた位では簡単に落ちません。
KG002Fも無処理品や鉄製のメッキ品、ブラックオキサイト(ガンブルー)も有ります。DLCはこれらの表面処理をされた同じモデルと比べて何倍も値段が高いですが、それには訳があって、まずDLCの処理費が高いのはもちろん、下地を造る研磨の作業が他の物に比べて種類が多く時間も何倍もかかるからです。
ブランクヘッドを遠心バレル→磁気バレル→手研磨によるパフ掛け→手作業でのフェルトパフによる細部までの拭き上げ→イオン研磨→そしてDLCという手順になります。1個造るのにも普通の何倍もかかります。
これだけ時間と手間がかかりますので、現状では無処理品のパターが売れる方が儲かりますが、新しい技術
への挑戦の方が意義が大きいと思います。パターへの応用による利点としては表面の保護膜としてはもちろん、非常になめらかな皮膜な上、極薄なのでで母材の持つ特性を損なうことが有りません。SUSなどメッキや薬品処理などができない金属にも強く付けることができます。SUS303では見た目は錆びが出ないので必要無いと思われるでしょうが、SUS303とて金属で有る以上イオン化傾向からは逃れることはできません。鉄の様に赤錆が出ないので醜くならないだけで、SUSも空気に触れた瞬間から不導体皮膜という酸化被膜を形成し、これがたまたま変質しにくい、物を寄せ付けにくい性質の物であるため実用上錆として認識されないだけなのです。酸化皮膜というやつは硬く粘っこいものですのでない方がよいのです。これを取り除いてカバーをかけたものとしてDLCを採用しました。DLCなら酸化皮膜よりもうんと薄いのでパターで重視しなくてはならない打感への影響を最小限にできると考えたのです。その良さは使って頂いている人にはすでに実感していただいています。KG002Fはピンアンサー2がモチーフです。オリジナルのアンサー2では今では軽すぎて対応が難しい時代になっています。必要な重量を確保しながらオリジナルの良いところは無くさないようにというのが
KG002Fの設計コンセプトです。ネック形状がオリジナルぽいところが特徴です。
近々、今度はJW01WでDLCを造ります。
DLCはブラックも作る予定です。SM490を使った分も作ってみました。表面処理を何にするか、ただ今思案中です。